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スイス生まれの高機能ランニングシューズ&ウェア

Run the City Guide: エピソード3 - ベルリン編

多様性が​​あり、​​活気に​​あ​ふれ、​​時代を​​象徴する​​都市――。​​そんな​​ベルリンでは​​2ユーロで​​食べられる​​屋台と​​高級レストランが​​隣り合わせに​​存在し、​​ドイツの​​歴史と​​未来が​​共存しています。​​世界で​​最も​​象徴的な​​都市の​​1つとされる​​この​​街には、​​誰でも​​楽しめる​​要素が​​あります。​​特に​​ランナーには​​魅力的な​​街です。

ベルリンには抑えきれないエネルギーがあります。なぜこの街がこれほどユニークなのかと聞かれても、なかなか説明できるものではありません。歴史的で進歩的、汚いけれど美しいベルリンは、360万人以上が暮らす広大な多文化都市です。 

ここには有名な史跡や数百ものギャラリーや美術館、そして数多くのユネスコ世界遺産があります。そして同じくらい多くのバーやナイトクラブ、24時間営業の会場が存在します。 

ベルリンでは欲しいものが何でも見つかります。新たなランニングの冒険もそうです。そこで、この街のとっておきのルートを地元ランナーにこっそり紹介してもらいました。

ガイドの紹介 

カティ・ザイファートさんは開放的で居心地の良い場所を求めて、10年前にベルリンに引っ越してきました。ベルリンほどその条件に適う都市はないと言います。 

「私が生まれたのは、保守的で小さな町です。若い頃はいつも町がつまらなくてうんざりしていたし、自分には合わないと思っていました。両親がかなり保守的で権威的だったこともあり、町から抜け出したい気持ちで一杯でした」 

「それで、ベルリンに移り住みました。自分と同じような考えを持ち、他人に寛容な人たちに出会いたかったからです。ベルリンは探検できる場所が多いので、ランニングには最適な場所です」

「ベルリンには様々なエリアがあります。その多くが個性的で、まるで別々の小さな街のようです」


「ベルリンでは今まで知らなかった新しい場所がいつも見つかります。それに、一般的なイメージよりも緑は多いんですよ」

リカバリーラン

ザイファートさんにはつらいことも多く、片方の親は精神疾患を患っていました。そんな中、心を落ち着かせ、気持ちを整理する方法として始めたのがランニングでした。走ることで心は穏やかになり、自信が持てるようになりました。 

「長距離を走ることにした理由は、気分が良くなり、自分らしさが感じられたからです。多くの人にとってランニングは単なるパフォーマンスではありません。私にとってもそうです。この点は強調すべきだと思います」

「ランニングを始めたのは、10kmや30kmを速く走りたかったからではありません。ただパーカーを着て、好きなだけ走ってみたら、ランニングが自分に合っていることに気づいたんです。そこからランニング経験を積んでいき、アプリやウォッチ、ウェアを揃えていきました」 

「自分で走り方を決められるのは良いことだと思います。私もその日のペースや距離を決めてから走ることが多いですね。時計を見ないでゆっくり走る日も、ゆったり呼吸しながら心地良いペースで走る日もあります。自信をつけたい日は、達成感を得るために目標を決めて走っています」 

「ランニングをすると心と体の調子がとても良くなるんです」

訪れた転機

以前はマーケティングの仕事をしていたザイファートさんでしたが、2年ほど前にバーンアウト(燃え尽き)になったことを機に、人が安心してメンタルヘルスについて語り、学ぶスペースを作りたいと考えるようになりました。そして困っていても必要な情報を得られない人が多いことを知り、パンデミックが起こる直前の昨年、「Deep Talk w/」というメンタルヘルス・コミュニティーを立ち上げました。

「自分の経験を通して、多くの人々が苦しんでいることに気づきました。今なら精神的な問題を抱える人の気持ちが分かるし、偏見に立ち向かう苦労も分かります。だからこそ、安全なスペースを作りたかったんです」 

「こうしたテーマについて話せる場所が少ないと思いました。もちろん、人が健康やメンタルヘルスについて話すことはよくありますが、大抵は表面的です。専門家の話が聞けるプラットフォームや、自分と同じ問題を抱えた人が集まる場はほとんどありません」 

「そこをどうにか変えたいと思っています。今はスタートアップ企業と多くのコラボを行っており、これから正式なNPOを設立するところです。イベントやInstagramへの投稿、Zoomミーティングに留まらない、1歩進んだものにしたいんです。そのため大きな計画を企画しています」

ベルリンで暮らしながらランニングをすることが、元気のもとだとザイファートさんは言います。

「以前だったら、気分が沈んでいるときに外に出たり、散策したりする気にはなりませんでした。ですが、ランニングのためならやる気になりました。大丈夫だろうと思えたんです。ベルリンの存在も大きかったですね。自分ではたくさんの場所を知っているつもりでも、ランニングをしなければ見つけられなかった小道が多いんです。こうしたことが自信になり、もっと頑張ろうと思えました」

それでは、ザイファートさんお勧めのコースを見ていきましょう。

テンペルホーフ空港5km周回コース


ザイファートさんが紹介する最初のルートは、テンペルホーフ空港の周回コースです。コースがあるのは、かつて軍用地としても使われた旧空港の緑地です。355ヘクタールという広さを誇るこの場所は、世界最大級の都心オープンスペースになっています。ここにはあらゆるアスリートや、探索好きが集まります。

「このルートを選んだのは、自宅があるお気に入りのノイケルンのすぐそばだからです。このルートはクレイジーな場所を通るので楽しいんです。ここは昔の空港で、色々なスポーツが行われています。例えば空中を浮いたところを見るのが面白いカイトボードや、インラインスケート、スケートボード、ダンスなど様々です。犬の散歩をする人も多いし、ピクニックもできるし、夏はちょっとしたお祭り気分が味わえます。とにかく広々とした場所です」

「ゲートをくぐると、建物も何もないので海にいるような気分になります。ものすごい広さが味わえるんです。視界を遮るものは一切ありません。よく強風が吹いているので、ランナーにとっては少し走りにくいかもしれません。コースの半分は走りやすく、もう半分は向かい風で走ることになります」

ランニングルート1:テンペルホーフ空港5km周回コース

Stravaで見る

街の真ん中でシティエスケープ10㎞コース 


この10㎞コースでは、街を離れることなく街から「エスケープ」します。シュプレー川沿いを通ってからトレプタワー公園の林を抜けるコースで、景色の変化と緑の豊かさが楽しめます。 

「都会の喧騒から逃げるための10kmコースなので、このコース名をつけました。賑やかなエリアに近いところを通りますが、森の中に入って川沿いを走るので、ベルリンにいることをすっかり忘れてしまいます。緑が多くて水辺に近いため空気が新鮮なんです」 

「調子が良ければ15kmに延ばせます。私は普段そうしています。このコースで一番良いのが、森の中を通るところです。走っているのは自分だけで、誰にも邪魔されません。このコースを走ると1日のストレスが発散できるし、自然に親しむこともできます」

街の鼓動15kmコース


3番目となる最後のコースは、この街で最も象徴的かつ有名な場所を通る15kmコースです。「街の鼓動(Der Puls der Stadt)」と名付けられたこのコースは見どころが多く、ずっと走っていても飽きることがありません。 

「ベルリンの観光名所や歴史的な場所をたくさん通るので、街の探索にはもってこいのルートです。長距離を目指してトレーニングを始めた頃は、好きな音楽プレイリストを用意していても、20km以上を走る気にはなかなかなれませんでした。ですが視覚的な気晴らしがあると、残りの距離が気にならなくなりました」

「そうしたことには最適なルートだし、普段は行かないような場所も通れます。建築が素晴らしいし、街の中枢機関を通るので、歴史も感じられます。初めてこの街を訪れる人におすすめしたいルートです。さまざまなエリアの全体像が掴めるので、ランニング後に出かけたい場所が見つかるかもしれませんよ」 

 「苦労した経験から言えるのは、自分のペースで走ることが何よりも重要だということです。3歩先に進もうとするより、1歩下がった方が賢明です」 


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