
持久力を高める5つのインターバル走メニュー
短期間で筋力と持久力を鍛えられるインターバルトレーニング。ランニングのレベルアップを狙うなら、ぜひインターバル走を試してみましょう。

スタート、ストップ、そして再度スタート。このシンプルなメソッドがパフォーマンスを大きく引き上げます。
インターバルトレーニングとは、短時間高速ダッシュを間隔(インターバル)をとりつつ繰り返し行うトレーニングです。最大限のハイスピードで1回走ったら、短い休憩時間を挟んで、またリピートします。
ランニングをレベルアップできるインターバルトレーニングをじっくりご紹介します。
インターバルトレーニングとは?
HIIT(高強度インターバルトレーニング)と呼ばれることも多いインターバルトレーニング。ランニングのみに絞る場合もありますが、マウンテンクライマーやバーピー、腕立て伏せといった高強度のエクササイズの組み合わせを指すこともあります。
まずは基本的なやり方をおさえましょう。
ゴールを決める:自己ベスト更新を狙うのか、それとも初マラソンの完走を目指すのかなどによって、インターバルトレーニングへの取り組み方も変わってきます。最初に目標を明らかにしておきましょう。
適切なギアを用意:マラソン準備の一環であればロードランニング用シューズを、山道を走り抜くスタミナをつけたいならトレイルランニング用シューズを用意してください。
ウォームアップ:動的ストレッチやスローなジョギングで体をほぐし、心拍数を上げましょう。
インターバル走:短時間、全速力で走ります。その後、それより短い時間をアクティブレストにあて、スローなジョギングやウォーキングをします。高強度の運動を、時間を区切って集中的にやるのが大切です。実際に走る距離に応じて4~12回、このインターバルを繰り返します。
クールダウン:手を抜いてはいけません。トレーニングの後、軽いジョギングや、ウォーキング、ストレッチ、そして帰宅後はフォームローリングをすると、リカバリーを促進できます。


インターバルトレーニングのおすすめ5種目
距離よりもスピードに重点を置くインターバルトレーニングでは、目的を持って、コントロールしながらの短時間高強度走を行います。どのようなインターバル走を行うかは、目指すレースの距離やパフォーマンス目標によって異なりますが、ここでは始めやすいワークアウトをご紹介しましょう。
1. ファルトレク走
ターゲット:リズムをつかむ
スウェーデン語で「スピードプレー」を意味するファルトレクトレーニングは、不規則な全速力ダッシュやスピード走を、安定的なランニングに組み合わせて行うトレーニングです。きっちりとした間隔で繰り返すのではなく、次の街灯や立木、曲がり角までダッシュしたら、適当な地点でスピードダウン。
距離やペースよりも、自分のリズムをつかむことに重点を置いたトレーニングなので、初心者や、ブランクがあった後にランニングを再開する人にぴったりです。運動強度は自然にまかせ、その日の気分によって調整すればOKです。
ルールを厳格に設定して行うインターバル走とは異なり、ファルトレクでは体感強度を基準に走ります。次の運動を繰り返します。
- ゾーン5:高速ダッシュ。全力疾走に近い勢いで走ります。息が荒くなり、やりながら会話することはできません。せいぜい数分間しか続けられない強度です。
- ゾーン1~2:軽いリカバリーラン。コントロール可能な軽めの運動をします。エネルギーを徐々に取り戻しながら、会話ができる程度のペースを保ちます。
ファルトレクランの具体例:
- 15分間のウォームアップ - ゾーン5(ハードなワークアウト)を2分間 - ゾーン1~2(軽いリカバリーラン)を1分間 - これを10~12回繰り返す
2. 400mリピート
ターゲット:ランニング効率とペーシング
その名の通り、400mリピート走が重視するのはスピードよりも一貫性です。通常の競技トラック1周が400mですが、人通りの少ない道路でGPSウォッチを使って400mの距離を設定してもかまいません。
コントロールのきく無理のないペースで1周(400m)走り、その後1~2分間リカバリーしてから次のレップを開始します。400mという距離は集中力を要する長さですが、効率的なフォームを保って走れる距離でもあります。徐々に自分のペースをつかめるようになり、距離が伸びてもそれを維持できるようになってきます。
400mリピートの具体例:
- 15分間のウォームアップ - 400mリピート(ゾーン5) - 1~2分間のリカバリー(休息またはゾーン1~2の軽いジョギング) - これを8~12回繰り返す
3. 600mリピート
ターゲット:閾値ペースの感覚をつかむ
トレーニングの進展に合わせ、スピードとスタミナの橋渡し役となるのが600mリピートです。多くの場合、「快適にハード」な閾値ペースで走ります。
呼吸は安定させつつ、落ち着いたペースで行います。集中力をキープしながら、全力疾走をやや下回るレベルで走ってください。トレーニングサイクルの序盤では、600mリピートは有酸素運動能力の土台作りに効果的です。レース本番に向けてペースのコントロールに磨きがかかり、疲労し始めても落ち着きを保てるようになるでしょう。
600mリピートの具体例:
- 15分間のウォームアップ - 閾値ペース(ゾーン4)で600m走 - 1~2分間のリカバリー(休息またはゾーン1~2の軽いジョギング) - これを6~8回繰り返す


4. 800mリピート
ターゲット:最大酸素摂取量(VO2 max)の向上
トラックを2周する800mリピートは、スピードと持久力の中間に位置するトレーニング。VO2 max近くまで心拍数を上げるのに十分で、なおかつ強いメカニクスを維持できる距離でもあります。
3~5kmレース程度のペースで走り、呼吸は深く激しくなりますが、なおコントロール可能な状態です。レップごとに同じペースとフォームを維持するつもりで、全力疾走は避けましょう。
このトレーニングを行うと、ストレスがかかっても効率的に酸素を利用できるようになり、スピードを上げながら長時間走る力を鍛えられます。しっかりやれば、身体の落ち着きをキープしながら力強く走れるようになるでしょう。
800mリピートの具体例:
- 15分間のウォームアップ - 800m走(ゾーン4) - 2~3分間のリカバリー(休息またはゾーン1~2の軽いジョギング) - これを4~8回繰り返す
5. マラソン用インターバル走
ターゲット:疲労に対する耐性の強化
マラソンに特化したインターバルトレーニングでは、持久力強化を目的に、コントロールしながら持続的に走り続けることに注力します。マラソンを走る時の目標ペースで5kmを2~3レップするなど、長めの間隔で走り込むことで、レース後半にくる疲労への耐性を養います。
優先すべきは、スピードよりもペースのコントロールとリズミカルな呼吸です。目標は、最初の1kmを走る時と3km目を走る時とで同じコントロールの感覚が持てるような持続可能なリズムをつかむこと。その場の達成感を求めてスピードを追求するのではなく、維持できる一定のペースで走りましょう。
マラソン用インターバル走の具体例:
- 15分間のウォームアップ - ゾーン3(ややキツいが持続できるペース)で5kmラン - 3~5分間のリカバリー(休息またはゾーン1~2の軽いジョギング) - これを2~3回繰り返す
インターバルトレーニングのメリット
インターバル走は、ランニングをレベルアップできる効果的な方法です。ハードなトレーニングとリカバリーを交互に繰り返すことで、心肺機能、神経筋コーディネーション、持久力を強化でき、同じペースでひたすら走る以上の効果が得られます。
VO2 maxの向上:インターバルトレーニングは、高強度の運動中に身体が利用する酸素量を増やすのに効果的です。VO2 maxが高いとハイスピードで走れるようになり、疲労も感じにくくなります。
血流量の増加:インターバルトレーニングや高負荷の運動で心臓を鍛え、1回の収縮でより多くの血液を送り出せるようにすると、限界近くまで運動したときの酸素供給力も向上します。
持久力の増加:インターバル走は筋肉細胞内のミトコンドリアの発達を促すので、効率的なエネルギー生産能力を高め、長時間努力し続けることを可能にします。
神経筋パワーの強化:より速いペースで行うインターバル走は速筋線維を利用しながら強化するので、走りの効率とターンオーバーが向上し、ラストスパートのスピードもアップします。




インターバルトレーニングの種類
インターバルトレーニングでは、全力疾走を続けるという負荷をかけずに、速度を上げたり距離を延ばしたりと、いろいろな走りを追求できます。都会の道路でも大自然のトレイルでも、スピードとコントロールを高めるのに役立ち、レース本番に向けて自信をつけるのにうってつけです。
インターバル走の種類 | 内容 | 主な効果 |
ファルトレクトレーニング | 道端の樹木や街灯などを目安にしながら、ペースに強弱をつけて走るランダムなセッション | 厳格なルールを設けないので順応性が高く、楽しみ方もいろいろ |
ピラミッドインターバル | 間隔を徐々に延ばしていき、その後、徐々にスローダウンしていくトレーニング(1分〜2分〜3分〜2分〜1分など) | 間隔の変化への適応力をつけていくことで、自信がつき、筋力もアップ |
スプリントインターバル | 短時間の高速ダッシュと十分なリカバリーをリピート | 体力、ターンオーバー、走りの効率の向上 |
ストライドインターバル | リラックスしたスピードでコントロールしながら15~20秒間、加速し、スムーズで効率的な走りを把握 | 長時間のセッションの前後に脚の調子を整える |
タバタインターバル | 20秒間の疾走と10秒間の休憩を8回繰り返す | 短時間で無酸素運動能力と耐久力を強化 |
テンポインターバル | ややキツいが持続可能なペースを一定時間継続 | 閾値を改善し、長距離でもペースを維持できるように |
大切なのは前進すること
インターバル走は、ランニングの効果を最大限に引き出すための、きついけれども楽しいトレーニング法です。ペースアップ、パフォーマンスの向上、ワークアウトの改善、新たなルーティンを試すなど、目標が何であれ、インターバルトレーニングはそれをすばやく実現する手助けとなります。
よくある質問
ランニングに適したインターバルトレーニングは?
出発点となるシンプルなインターバルトレーニングは、定番の400mリピートです。一定のきついペースでトラックを1周走り、その後、1分間の軽いウォーキングやジョギングでリカバリーします。これを繰り返すことで、距離に圧倒されることなくペースを維持できるようになります。
3-2-1インターバルランとは?
3-2-1は時間を表します。3分間、2分間、1分間走り、時間が短くなるごとに少しずつ負荷を増やしていきます。各ランの間に1分間の軽いリカバリーを挟み、呼吸を整えてから次のランを始めます。
5-4-3-2-1ランニングとはどのような方法?
5-4-3-2-1のランニングメソッドは、5分間のランニングから、4分間、3分間、2分間、1分間と徐々に短縮していき、各ランの間に短いリカバリーを入れます。走る時間が短くなるにつれて負荷を高めていき、トレーニングが終盤に向かうにつれコントロールできている感覚を養います。
ランニングの「20%ルール」は何を意味する?
1週間の総走行距離の内、高強度インターバルトレーニングは20%以内に抑えることが大切です。ほとんどのランを会話ができる程度の楽なペースでこなすようにしましょう。リカバリーが進み、一貫性も高まり、長期的な実力アップにつながります。
インターバルトレーニングが効果的な理由は?
インターバルトレーニングに効果があるのは、ただ走り続けるよりも強度の高いトレーニングになるからです。高速ダッシュとリカバリーを交互に繰り返すことで、全体的な負担を抑えながら、有酸素運動能力、効率、ペースを伸ばしていくことが可能です。



















