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ランナーに​​おすすめの​​15冊

ランニング後の​​リカバリータイムや、​​ダウンタイム中に​​ランナーの​​マインドセットを​​維持するのに​​最適な​​おすすめの​​15冊を​​紹介します。

1.アダーナン・フィン著「Running With the Kenyans: Discovering the Secrets of the Fastest People on Earth(原題)』

ケニアのリフトバレー州の端に位置するイテンは、世界最強の長距離ランナーを多数輩出しています。ジャーナリストのアダーナン・フィンは、世界の中心から遠く離れたイテンから多数のエリートアスリートが生まれる理由を探るために、家族とともにイテンに引っ越しました。そして、イテンの奥深く素晴らしい文化がもたらす啓蒙的で心温まる要素が、数多くの最強ランナーを生んだことを突き止めます。 

この本が気に入った人には 「駅伝マン 日本を走ったイギリス人」 もおすすめです。著者はこの本で、日本のランニング文化と駅伝の世界を深く掘り下げています。 

2.John L. Parker, Jr.著「Once a Runner(原題)」   

驚くことに、ランニングをテーマにした小説はあまりありません。ランニングの小説とインターネットで検索すると、必ず出てくるのがこの「Once a Runnner」でした。これはニューヨークタイムズ紙のベストセラーです。米誌Runner’s Worldは「ランニングをテーマに書かれた最高の小説」と称しています。

トップレベルの大学生ランナーが主人公のわりに、この本の出だしはスローペースですが、徐々にスピードを上げていきます。著者のJohn L. Parker, Jr. 自身もかつて競技ランナーだったことから、本文にもそれを思わせる描写が登場します。彼の文章には限界まで自分を追い詰める肉体的、そして感情的な経験が色濃く反映されています。この作品を読むと、トラックに行って息が上がるまでインターバル練習をしたくなります。きっと、それこそがこの小説への最高の褒め言葉なのでしょう。

「長距離ランナーなら自分を重ね合わせられる部分の多い「Once a Runner」がお気に入りの本です。この作品はランニングをしない人たちにもおすすめですが、ランニングというスポーツがテーマの、優れた小説を見つけるのは本当に稀です。」  

- トリスティン・ヴァン・オード 選手  

3.村上春樹著「走ることについて語るときに僕の語ること」    

世界的に有名な作家、村上春樹が彼らしい穏やかに流れる文体で、初心者ランナーからウルトラランナー、そしてトライアスロン選手へと成長する自分自身の体験を自叙伝のように綴り、その途中で感じた創造性とランニングの関係性に対するユニークな洞察を書き留めています。この本は2018年のアイアンマン世界選手権で2位に輝いたバート・エアノーツ選手のお気に入りの一冊です。

4.Richard Askwith著「Feet in the Clouds: A Tale of Fell-Running and Obsession(原題)」

私たちが一番惹かれたのはもちろんこの作品のタイトルですが、内容も満足できるものでした。英国の手つかずの自然の中で行なうフェルランニングの世界と、そのコミュニティの様子が、著者が挑戦した106㎞の「ボブ・グラハム・ラウンド」のようすと共に記されています。トレイルラン好きのランナーならきっと気に入る一冊でしょう。

5.Neal Bascomb著「 The Perfect Mile: Three Athletes, One Goal, and Less Than Four Minutes to Achieve It(原題)」

英陸上競技選手のロジャー・バニスターが1マイル4分の壁を破った最初のランナーというのは有名な話です。しかし、同じゴールを目指して必死に頑張ったライバルや、彼らのスピードがバニスターと僅差だった事実はあまり知られていません。そこで著者は、バニスターが世界初の記録に到達する際に重要な役割を担ったすべての人たちを記録。彼らのトレーニングやライバル意識を鮮やかな文体で描き出し、魅力的な一冊へと仕上げました。 

「私が『The Perfect Mile』を読んだのは2009年、ロンドンに住んでいたときでした」とチームOnのウルトラランナー、フロリアン・ノイシュヴァンダー選手は話します。「主人公は3人の足の速い男たちで、彼らの真剣なバトルが描かれています。これを読んで刺激を受けた僕はトレーニングに励みました。僕自身は世界最速の中距離ランナーではありませんが、この本を読んだ年にロンドンでベストタイムを出しました。800メートルを1分56秒で走り、その数週間後にトラックでの1万メートルで29分51秒という自己ベストを出したのです。これは今でも自己ベスト記録です」

6.Christopher McDougall著「Born to Run: A Hidden Tribe, Superathletes, and the Greatest Race the World Has Never Seen(原題)」

メキシコの谷の奥深くに住み、生まれつきウルトラランナーとしての能力を持つ伝説の部族の秘密を追いかける―― 私たちは即座に興味を持ちました。この作品が長い間ランナーやランナー以外の本好きから支持される理由は、さまざまなアスリートの目を通して、ランニングと人間の不思議を紐解く軽快な内容に心惹かれるからなのです。Onのトレイルアスリートであるキラ・バルマンノ選手は、長距離ランナーとして大志を抱く人は必ず読むべき作品だと言います。

「ウルトラランニングに関する最強の本です。古典的な作品ですが、最高ですよ!一度でもウルトラマラソンに出ようと思ったことがあるなら、絶対におすすめです!」


7.The Oatmeal(Matthew Inman)著「The Terrible and Wonderful Reasons Why I Run Long Distances(原題)」  

「もしあなたのネコがあなたを殺そうとしていたら?」の著者によるランニング本は、単なるランニング本以上の内容です。著者が「雨でも青天でも天国でも地獄でも、私たちが毎朝起きて走り出してしまう最悪で最高の理由」と言う通り、楽しさ満点の色鮮やかな作品です。 「The Blerch」からの脱走から「日本の巨大なスズメバチに関する本題と全く関係ない話」まで、ページをめくるたびに大笑いするのですが、読み進むうちに走り始めた頃のモチベーションを思い起こして心が震えます。

8.Chris Lear著「Running with the Buffaloes:A Season Inside with Mark Wetmore, Adam Goucher, and the University Of Colorado Men's Cross-Country Team(原題)」

Onのウルトラアスリート、デイビッド・キルゴア選手がおすすめするこの作品は、ある大学のクロスカントリーチームが優勝を目指して奮闘した、ジェットコースターのような日々を描いています。スポーツ界ではありがちなこととは言え、運命は簡単に勝ちを取らせてくれません。勝ち負けを織り交ぜながら、逆境を克服して前進するチームのようすを力強いタッチで描いています。勝ち目のない戦いで勝つことの本当の意味が分かる一冊です。 

9.Charlie Spedding著「From Last to First:A Long-distance Runner's Journey from Failure to Success(原題)」

On ZAP エンデュアランスチームのジョシュ・スティリン選手のおすすめの本として教えてくれました。「もともと期待されていなかった著者が、ロンドンマラソンで優勝し、1984年のオリンピックで銅メダルを獲得するまでの道のりについて書かれた本です。僕の心に刺さったのは、著者がパブで自分を奮起させるためにモチベーションを書き出した場面です。彼は『自分は何をしたいんだ?』『どうしてそれをしたいんだ?』と自問します。そして『そこにたどり着くにはどうしたらいいんだ?』と考えるのです。 自分のマインドセットをもう一度問い直して、それまで自分に課していた目標を上回る結果を出すための行動を始めるんです」

10.Paul Deaton、Kim Moore、Ben Wilkinson編集「The Result Is What You See Today:Poems about Running(原題)」

「この本に収録されている詩はすべて、ランニングと同じくらいバラエティに富み、力強く活気があります」と、オリンピックメダリストのジョー・ペイヴィーが評した通りの作品です。普段は詩など読まないという人も、この本にはランナーのためになる何かが必ずあります。「何のために生まれてきたのか?」「立ち上る光に逆らって」「頭を動かす身体」「絶対に来世でも続ける」の4つのセクションに分けられたこの作品は、走る理由と、ランニングシューズを脱いだあとでも人生のさまざまな側面に影響を与えるランニングの実態について考察したアンソロジーとなっています。

ランニングの多種多様なメリットを称賛しつつ、多くの詩の中で普段は語られることのないランニングの負の側面も表現しています。一方に偏らない内容が非常にパワフルな読後感を与えてくれます。

11.「The Ghost Runner: The Epic Journey of the Man They Couldn't Stop(原題)」

これはノイシュヴァンダー選手がおすすめするもう一冊の本です。「これはジョン・タラントという男性が主人公の実話です。ボクサーだった彼はランニングに集中するためにボクシングをやめます。ランナーとしての才能を開花させた彼は、国内外の競技大会出場という高い目標を設定します。しかし、ボクサー時代に一度だけ17ポンド(約2300円)を違法に受け取った事実が発覚し、アマチュア規定に抵触したとして競技全般への出場を禁止されます。 

「レースに出たくてたまらなかった彼は、レース直前まで木立の後ろに潜み、スタートのピストルが鳴った途端にゼッケンも着けずに飛び出します。出場するレースで勝つことが多くなり、『あのランナーは誰だ?』と噂になります。あのゴーストランナーは誰なんだ、と。この本には本当に刺激をもらいました。絶対に読んでください」 

12.アダーナン・フィン著「The Rise of the Ultra Runners(原題)」

フィン作品で2冊目のおすすめは、ウルトラランニング人気の高まりについて考察した最新作です。この本ではスポーツライターのフィンがランニングを始め、ウルトラランニングへと移行し、有名なウルトラトレイル・デュ・モンブランにデビューするまでの道のりを一緒にたどります。著者のほかの作品同様に、彼の個性が色濃く反映された一冊となっています。エリートウルトラランナーから初心者ランナーまで、ウルトラランニングコミュニティ独自の色とりどりのスピリットを隅々まで堪能できるはずです。

13.ロバート・ムーア著「トレイルズ『道』と歩くことの哲学」 

On ZAP エンデュアランスチームのジョアンナ・トンプソン選手はこの本についてこうコメントしています。「お気に入りの一冊です。ランニングとは直接関係は無いのですが、長距離ランナーのマインドセットを非常に良く表していると思います。この本は『トレイル』の肉体的および哲学的な概念を考察していて、著者自身のアパラチアン山脈でのトレイルから始まり、化石化したトレイル地表、アリのコロニー形成と集団行動、ハンティングへのこだわりと、話題が広がっていきます。これは自分が未開の森林の中を走るときに考えたい事柄と似通っています。また文体もとても優雅で素敵です」 

14.Tom Jordan著「Pre:The Story of America's Greatest Running Legend, Steve Prefontaine(原題)」  

スティーヴ・「プレ」・プレフォンテーンは気まぐれなランナーでした。記録破りの異端児でしたが、悲しいことに、24歳のとき交通事故で急逝してしまいました。他界する直前の彼は、米国の屋外トラックで行われた2000mから10000m競技すべての記録保持者でした。Onアスリートにおすすめの一冊を聞いたときクリス・トンプソン選手が一番に名前を挙げたのがこの「Pre」でした。胸を締め付けるような痛々しいストーリーに加えて、この本の中で繰り広げられる世界が良いと言います。「歴史好きな僕は、この本の舞台であるオレゴン州ユージーンの『トラックタウン』文化も大好きです。この本を読んだあと、実際にあの町に住んだ経験がある僕がおすすめする、熱狂的ランナー必読の書です」

15.アレックス・ハッチンソン著「限界は何が決めるのか?持久系アスリートのための耐久力(エンデュアランス)の科学」  

自分の本当の実力はどれほどなのか?どれだけ遠くまで行けるのか?どれだけ速く走れるのか?自分を躊躇させる原因は何なのか?ある時点でランナーは必ずこういう疑問に出くわします。著者はすべての人類に成り代わり、これらの質問に答えることを使命としました。科学的根拠に基づきながら、肉体的な困難を気力で乗り越えられないことがなぜあるのか、そして人間は常にもう一歩進歩できる存在であると、詳しく説明してくれます。マラソンのレイチェル・クリフ選手はこの本を「ためになる上に面白い」と言います。  

「読みながらメモをとるとたくさん学ぶことができますよ」