Run the City Guide:エピソード10 - サンパウロ編
サンバとサッカー、カイピリーニャとカーニバル、そしてランニングの国、ブラジルへようこそ。スタート地点は、超高層ビル、芸術、文化が混在する広大な都会のジャングル、サンパウロです。全く毛色の異なる3つのランニングルートをご用意しました。
サンパウロは世界第4の都市であり、ブラジル経済の中心地です。何百万人もの人々がこの地で働いたり、暮らしたり、食べたり、遊んだりするために各地からやってきます。交通渋滞は日常茶飯事で、グラフィティアートが盛んな街です。また、南米で最もコスモポリタンな都市とも言われており、ブラジルでも有数のレストランが軒を連ねています。中華料理からコンゴ料理、日本料理からイタリア料理まで、食事だけで世界を旅することができます。
また、サンパウロは夜遊びスポットも充実。よく働き、よく遊ぶ人が集うこの街は、ナイトクラブやバー、音楽会場、飲食店などが24時間賑わっているためパーティー好きにはうってつけ。でも初めてブラジルを訪れる人の中には、このペースに圧倒される人もいるでしょう。ブラジル南部の小さな町からサンパウロに来たモデルのバビ・ベルーコもその1人。でも、バビは1つの解決策を編み出しました。
ガイドの紹介
バビは毎朝5時に起きてトレーニングをします。「早朝ランニングで1日をスタートさせるのが好きです。仕事の予定や打ち合わせなど、すごく忙しくなることもあるので…。走ると、仕事に取り組むための元気が湧いてきます」


バビにとって、ランニングはもはや単なるライフスタイルではなく、日常生活に欠かせない存在です。「ランニングは私の生活に軸をもたらしました。人生のペースを決めるのはランニングだし、ランニングを中心に生活が回っています」
「14歳のときに故郷で父と一緒に走ったことがきっかけで、ランニングを始めました。サンパウロに来てからは、絶えずホームシックの状態でしたが、走りに行くたびに、家族とのつながりが実感できたんです。そうして私はランニングに夢中になりました」
サンパウロでのランニングの魅力について、バビはこう語ります。
「サンパウロは多様な文化やライフスタイル、新旧の建築物がうまく調和している街。ランナーにとっては超ダイナミックな場所で、常に身の回りでさまざまなことが起きます」
「走るたびに、サンパウロのさまざまな側面を体験できます。街の喧騒を抜け出せば、10分以内に静かな公園が見つかります。毎日、新しい場所を訪れるような気分になります」
ランニングに情熱を燃やすバビは、ブラジルのOn Run Crewのメンバーとして誇りを持っています。On Run Crewは、走ることがとことん好きな人たちが集い、仲間同士でサポートし合うランニンググループです。 「皆とつながっている感じが好きです。Onを身につけている人には、他とは違った共通の結びつきがあるように思えます」
それではバビに、サンパウロでお気に入りのランニングルートを教えてもらいましょう。
5kmルート:ヴィラ・ロボス公園
ヴィラ・ロボス公園は、サンパウロ市街西部のピニェイロス川沿いにある美しい公園です。ランナーにとっては夢のような場所。
「このルートが好きなのは、全く種類の違う2つの路面が走れるからです。ユニークな建築物がある平坦な道のコースと、美しい木花や鳥に囲まれた、変化に富んだトレイルコースの2つです」
この公園ではサッカー、バスケットボール、テニスなどが楽しめるほか、スケートパークもあります。
「私は公園の入り口にある、ココナッツウォーターが飲めるキオスクでランニングを終えることが多いです。でも、パークライブラリでメールチェックを始める前に、かわいらしいCafé BVLで美味しいコーヒーを飲むのも最高です」
10kmルート:歴史的地区を巡るルート
「サンパウロ中心部の歴史的地区では、本物の文化に触れることができます。見どころも、上り坂も多い、アクション満載のルートです。交通量が多く、いたるところに歩行者や、スケボーに乗っている人もいるので、ヘッドフォンなどで耳を塞がないことを強くお勧めします。集中力が必要なルートですが、走る価値は大いにあります」
「ビニール製品から頭に付けるウィッグまで、とにかく何でも揃うGaleria Nova Barãoはすごくお気に入りです。また、Coffee To Goに立ち寄って、ブラジルの伝統的なチーズパンを味わうのもいいですね。ここでは人気のストリートフードで、焼きたてを食べるのが最高です!」
15kmルート:ファリア・リマ~イビラプエラ公園
バビが最後に紹介するのは、ファリア・リマ周辺のルート。商業・金融の中心地で、ガラス張りの近代的なビルが立ち並んでいます。通り全体を横断するように自転車専用レーンも設置されています。
「このルートは、バーやストリートアートで有名な地域からスタートします。私はよくThe Coffeeに立ち寄ります。美味しいコーヒーをすぐに出してくれるので、急いでいるランナーには理想的ですね」
「私はこのルートをイビラプエラ公園で終えるのが好きです。この公園はサンパウロでのランニングで1番好きな場所です。美しくて、安全で、とても居心地が良いんです。でも、週末は混雑しているので、ここは平日に走った方が良いですね」
そして、15kmのランニングを終えたあとにお勧めのお店の情報も教えてくれました。
「レーストラックの隣にあるMadureira Sucosというお店は、ビタミンや栄養が詰まったヘルシーなスナックやスムージーが豊富。お勧めはアサイークリーム。走ったあとの栄養補給にぴったりです」