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ランナーズ​ハイ:​その正体と​ 到達への​道

ランニングが​気持ちいいのには、​理由が​あります。​走り​終えた​後に​幸せな​気分に​なる​ランナーズハイ。​これは、​肉体と​精神の​つながりに​よって​生じると​科学的には​示されています。​この​ハイな​状態を​長続きさせる​ための​8つの​ヒントを​ご紹介しましょう。

Onのアパレル姿で縁石に座り、笑っている男性と女性。
Onのアパレル姿で縁石に座り、笑っている男性と女性。

長い距離を走り終えると、心が急に軽くなって悩みも消え、足の疲れも忘れてしまう――なかなか得られないのに多くの人が知っているこの感覚、これこそランナーズハイです。

肉体的かつ心理的この多幸感は、心と体が深くつながることで、蓄えられた新たなエネルギーを解き放つ現象です。それがどのように生じるのか、科学的にはまだ解明の途上ですが、ランナーにとっては何十年も前からお馴染みの感覚といえます。

ここでは、ランナーズハイとは何か、どのように生じるのか、どうすればこの状態を長く維持できるのかを説明します。マラソンに向けトレーニングに励む人も、自分を追い込んで頑張ってみたい人も、ぜひ参考にしてください。

ランナーズハイとは?​

ランナーズハイは、長時間、または過酷なランの最中やその直後に生じる、不安の軽減や痛覚の低下を伴う一種の陶酔状態を指します。

長年にわたりこの感覚は、体が作り出す天然の痛み止めエンドルフィンの分泌によるもの、と科学的には説明されてきました。しかし最近の研究では、エンドカンナビノイドが真の要因である可能性が指摘されています。これは体内で生成される化学物質で、大麻に含まれるものと似た働きをします。

長々と続く上り坂のランや長距離のテンポ走など、コンフォートゾーンを抜け出し自分を追い込むと、身体に一定のストレスがかかります。すると脳がエンドカンナビノイドを放出し、これが血液脳関門を通過して受容体に結合すると、気持ちが安らいでリラックスし、軽い幸福感に包まれます。

つまりこれは自然な“ハイ状態”であり、頑張った体へのご褒美なのです。


ランナーズハイ vs フロー状態

この2つは混同されがちですが、別物です。ランナーズハイは肉体的反応であり、エンドカンナビノイドが穏やかな気分をもたらします。一方、フロー状態は、努力を努力とも感じないほど没頭している精神状態をいいます。

状態

概要

特徴

フロー状態

ランニングの最中に生じる没頭しきった認知的心理状態で、「ゾーンに入る」とも形容される

深い集中力

頭が冴える

ランナーズハイ

長時間走り不快を感じる局面を乗り越えた後に、主にエンドカンナビノイドによって促進される生理的な報酬

肉体的な痛みの軽減

穏やかで宙に浮くような多幸感

この2つは重なることも多く、ランナーズハイを目指していればフロー状態にも入りやすくなりますが、同じものではありません。

ランナーズハイは​どんな​感じが​する?​

ランナーよって違いはありますが、ほとんどの人は突然の変化、と表現します。難局を乗り越えたところで急に気分が高まり、体が軽くなった気がして、穏やかさに包まれる。

疲れがすーっと消え、呼吸が安定し、一歩一歩がラクに感じられるようになります。これは、頑張り続けてきたことへの身体からの自然なご褒美のようなもの。エンドカンナビノイドとエンドルフィンの奔流により高揚感で痛みが和らぎ、ラン後に感じるあのウキウキする疑いようのない幸福感を味わえます。

初心者からウルトラマラソンのベテランまで、ランナーたちは誰もが、この束の間の爽快感を求めて何度でも走るのです。一瞬の間、無限の自由を感じるために。

前景と後景にOnのランニングギアを身に着けた男性がいる。前景と後景にOnのランニングギアを身に着けた男性がいる。
Onのギアを着てランニングの練習をする2人のランナー。Onのギアを着てランニングの練習をする2人のランナー。

ランナーズハイへの​道のり

ランナーズハイは、いつでも気軽に再現できるものではありません。辛抱強く一貫した不断の努力を続けて初めて到達できるのです。

- ウォームアップは念入りに:まずは10~15分ほど軽めのジョギングと動的ストレッチをして、後で燃え尽きることのないよう体を慣らします。 - 自分のペースを守る:高有酸素ゾーン(最大心拍数の70~80%)の維持を目指しましょう。目安は、“完全な文章にはならないが、ひと言ふた言程度なら話せる”くらいのキツさです。 - 走行時間を延ばす:ハイは通常、持続して頑張った後に訪れます。いつもよりも距離を延ばせば、ハッピーな気分を味わえるエンドカンナビノイドの放出が促される可能性が高まります。 - リズムを維持:呼吸とストライドをシンクロさせましょう。ひたすら同じことを繰り返すうちに、努力していることを忘れてフロー状態に入っていきます。 - いつもとは違う場所を走ってみる:草地やなだらかな地形でのトレイルランニングは、いつも以上に筋肉を使い、集中力も高まるためハイ状態に到達しやすくなります。 - 好みで音楽をお供に:BPM180以上のアップテンポな音楽はリズミカルに走り続ける助けになります。でも、プレイリストには頼らずに、自然のサウンドに浸って走るのもおすすめです。 - 体の動きに感覚を研ぎ澄ます:呼吸とストライドに集中しながら、ロードランニングシューズが地面を蹴る感触に注意を向けましょう。努力している最中にこうやって意識を向けるのは、そう簡単ではないはずです。 - 不快感に打ち克つ:ブレークスルーは多くの場合、力を振り絞った直後に訪れます。キツめのペースをあと数分間、なんとかキープすると、急にスイッチが入ったように緊張が解け、ふわふわと体が浮くような多幸感に包まれるはずです。

この状態に到達するまでには時間がかかりますが、以上を習慣として実践すればするほど、ゾーンに入って無理なく走る、というパワフルな感覚に心身ともに自然と滑り込めるようになるでしょう。

ランナーズハイを​目指そう​

一度でも経験すれば、また味わいたくなるランナーズハイ。大切なのは“今、この瞬間”だけを意識することです。体の動きに完全に集中するためには、気の散る要素をなくしましょう。身に着けているものに気を取られては意味がありません。

ランナーズハイを確実に達成できるウェアはありませんが、適切なランニングアパレル安定性に優れたランニングシューズがあれば、軽々とストライドを刻みながら、その瞬間にきっと近づけるはずです。

よく​ある​質問

ランナーズハイは身体に悪影響がありますか?

いいえ、ランナーズハイそのものに害はありません。これは自然な生化学的反応の一種であり、ストレスを緩和して気分を高めるものだからです。しかし、怖いもの知らずの感覚に陥って、痛みを無視したり、過剰トレーニングを重ねてしまうこともあるので、その点には注意してください。高揚感を楽しみつつ、身体の声にもきちんと耳を傾けましょう。鋭い痛みや長引く痛みがあれば、無理は禁物です。

ランナーズハイは本当に存在するの?

はい、ランナーズハイは科学的にも認知されている生理的状態です。かつてはエンドルフィンが主な要因と考えられていましたが、現在は、体内で自然に生成される化学物質エンドカンナビノイドが大きな役割を果たすことが証明されています。この感覚に辿り着くには忍耐と長時間の努力が必要なため、ランナーの中にはその存在を信じない人もいます。しかしランナーズハイは確かに発生する現象であり、努力をすれば経験が可能です。

ランナーズハイを引き起こすのはエンドカンナビノイドですか?

はい、そうです。現在の科学では、エンドカンナビノイドが主な原因だと考えられています。この微細な脂質分子が血液脳関門を通過してカンナビノイド受容体に結合すると、鎮静、鎮痛、多幸感が混じり合った独特な感覚が生まれます。簡単に言えば生来、体に組み込まれている、頑張ったことへのご褒美のシステムなのです。