

オーストラリアのメルボルンは、世界で最も住みやすい都市の1つ。世界中から多くの人々がこの街を訪れます。鮮やかなストリートアート、広大な緑地、多国籍料理を提供する風味豊かなレストラン、そして忘れられないほど印象的なスカイライン――。そんな魅力たっぷりのメルボルンを存分に楽しめる、街ランにおすすめのコースを地元ランナーが紹介します。
シンガポールで生まれ、オーストラリア南部のアデレードで育ったブライアンさんは、大学進学と同時にメルボルンに移住しました。ランニングは、授業のストレス発散法として友人に勧められたのを機に始めました。
すぐさまランニングに魅せられ、マラソン大会に参加するほど走りにのめり込んでいったブライアンさん。ランニングには勉強の気晴らし以上の意義があることにもすぐに気付きました。特に、初マラソンを完走したことでそのことをよく実感したそうです。ランニングのない生活などもう考えられなくなっていました。
やがてブライアンさんは、1人で寂しくランニングをするよりも、誰かと一緒に街を探索し、その経験を分かち合いたいと考えるように。そこで、いくつかのランニンググループに参加した後、自ら「グラスハウス・ランクラブ」を立ち上げました。ランニングにおいて、サポートを受けることは大切だといいます。
「私の仲間もまったく同じです。ランニングは誰にとっても安全な空間だと考えていますし、コミュニティを作る手助けをしたいと思っています。健康、健全であることが何よりも重要です」
ではそろそろルートの紹介に入りましょう。ブライアンさんのおすすめルートは期待を裏切りません。今回は5㎞、10㎞、15㎞のルートを紹介します。
ブライアンさんは「正直なところ、おすすめのルートは10個位は簡単に挙げられる*」と言います。「選択肢は無数にあります。メルボルンはあらゆる場所を走れますから」
「これらのルートには公園、海、湾、川などが盛り込まれていて、街の全体像が大体分かるようになっています。どこに行っても特別な何かが発見できます」
*ブライアンさんは本当に10個のルートを挙げてくれました。こちらのStravaのアカウントからぜひチェックしてみてください。
「これはカフェで始まり、カフェで終わる『コーヒーラン』です。流行の最先端をいくコリングウッド地区にあるTwilight Terrorカフェからスタートし、カールトン公園まで短い距離を走って、またこのカフェに戻ってゴールです。ルートの途中には、この街で見逃せない名所がいくつか見られます」
「最初に目にするのは、1800年代に建てられ、世界遺産に登録されている『王立展示館』です。その奥にあるのが、モダンなデザインのメルボルン博物館で、周囲の自然とのコントラストがとても素敵です」
「このルートが好きな理由は、公園が緑豊かで生き生きとしているからです。見事な噴水、そしてきれいに並んだ高い木立があります。日陰で休むにはもってこいの場所です」
「2つ目のルートは、ピラーズ・オブ・ウィズダムと呼ばれているタン・トラックのスタートラインから始まります。周回コースの男女の最速タイムがわかる電子掲示板があるので、そこに表示されている記録に挑戦したりして楽しむことも出来ます」
「ヤラ川を渡ったら、グランドスラム大会の全豪オープンが開催されるメルボルンパークに向かいます。そこにはメルボルン・クリケット・グラウンドスタジアムもあります。ウィリアム・バラク橋を渡ると、素晴らしいレストランが立ち並ぶフリンダース・レーンに出ます。朝のランニングで素早くエネルギー補給したいときは、Bowery to Williamsburgという素敵なカフェに立ち寄ってみてください」
「近くのフリンダース・ストリート駅は象徴的で人目を引きますが、私たちが目指すのは戦争慰霊館です。古典的なスタイルの戦争記念碑で、巨大な前庭に『永遠の炎』があります。ここで10㎞ランは終了です」
「今回紹介する中で最も長く、そして最も美しいルートです。ヤラ川のほとりに戻り、アルバートパーク湖に向って走ります。ここは、オーストラリアで最もパークランが盛んな場所の1つです。パークランは多くのランナーが集う非常にインクルーシブなイベントで、ボランティアが運営しています」
「私たちのルートは、ミドルパークの趣のある地区を通り、長さ580mの桟橋『プリンセスピア』に続きます。この桟橋は、途中からデッキ部分が剥がされて、その先は水面から木の支柱が突き出た状態になっています。インスタグラムの写真を撮るのに絶好の撮影ポイントです」
「このルート沿いのビーチには、コーヒーやブランチに最適の場所があります。なので、必要に応じてここでエネルギー補給することをおすすめします。その後はサンドリッジ・レール・トレイルに向かいます。かつてオーストラリア初の蒸気鉄道が走っていた場所ですが、今は美しい公園になっていて、このルートの最後5㎞となる小道があります」
トラックでのんびり走る場合は、他の人がペースを維持できるように、外側のレーンを走りましょう
思いやりを持ちましょう。この街にはランナーのためのスペースがたくさんあります。誰もが楽しめるように、他の人たちに注意を払いましょう
名前に惑わされないでください。ここは実に楽しい場所です。文字通り何かしら好きなものが見つかります。ビーガン、グルテンフリー、ヘルシーな軽食、美味しいスイーツなどメニューが豊富です。
オーストラリアの感性を取り入れた最高の日本料理が楽しめます。寿司や創作ダイニングを堪能してください。
クラシックなNYスタイルのダイナーで、メルボルンの繊細なテイストを加えた最高のアメリカンフードが食べられます。
ウォーキングやランニングのほか、雄大なスカイラインを眺めることができます。アルバートパークはアボリジニーの重要な文化的景観の1つで、自然とつながれる最高の場所です。
メルボルンはクリエイティブな表現に溢れたストリートアートでも世界的に有名です。ホージア・レーン、AC/DC通り、ダックボード・プレイスなどが有名。きっと誰もが楽しめるはずです。
ブライアンさん行きつけのThe Guilty Moose Cafeは、季節の食材を用いた新鮮なメニューを年間を通じて提供しています。