

ロードランニングやトレイルランニングといったスポーツから日常使いまで、さまざまなシーンで履く人の足元を彩るOnのシューズ。Onに新しく加わったシューズラインナップを中心に、より自由に、そして「今」を楽しむ着こなしを、スタイリストの井田正明さんが「Style Collection -TOKYO edition-」で提案しました。多方面で活躍する井田さんから見たOnの魅力、そしてシューズを履きこなすコツとは。
仕事相手がブランドにしても雑誌にしても、そこに携わる人の思いを深く考えること、そして実際にアイテムを見て自分が何を思うかを大切にしています。その中で感じた「今」を形にするのが自分の特徴だと思っています。
例えば、2020年以降、外出も人に会うこともままならなかった時期は、ファッションそのものも、ブランドのビジュアルも、モードで尖ったイメージというよりも、明るく前向きになれるものが求められていたように思います。
時代によって人が抱えていることは違うし、求めていることも違う。だからこそファッションにも変化が現れるし、作り手が打ち出す方向性によっては人に、もっと言えば社会にいい影響を与えられるんですよね。
はじまりは、やっぱり人。人がそのとき感じていることに寄り添うと、表現にも「今」が反映されるんじゃないかな。
履き心地はもちろん、ソールやカラーもユニークでいいですよね。特に、スイスブランドならではの有機的な色味は、コーディネートする楽しさを何倍にもしてくれています。
Onのシューズは、ロード用、トレイル用、トレーニング用などテクノロジーによって多様なカテゴリに分かれています。でも今回はあえて、もっと楽しく自由にスタイリングしようよ、というムードを出しました。
型にはまらないことですね。
僕が独立した頃は、男らしさはこう、大人はこう、みたいな定義づけをしてくるファッションの提案が多かった。でも、今や新しい価値観がどんどん受け入れられる時代。すでに確立されたものも、違った側面を見せることで、自由度や楽しさは倍増します。
Onのシューズも、パフォーマンスを最大限に引き出すために定められたカテゴリがありますよね。けれど、もしシューズを履く人が単純にデザインにインスパイアされた結果、モードなコーディネートに仕上がったら、それは十分自分らしい素敵な着こなしなんです。ファッションの型や背景を知っていても、僕としてはそれに捉われず開放的にスタイリングすることの楽しさが伝わればいいなと思います。
CloudはOnをイメージ付けたシューズかつベーシックなアイテムなので、デイリーで履くイメージを最も持たせたかったスタイリングの一つです。カジュアルだけどエレガントにも見えるというように、一つのアイテムから二面性を感じ取れたり、コーディネートのバリエーションが浮かんだり、On のシューズで自分らしい表現をするきっかけが生まれたら嬉しいです。
「自分の中で一度噛みしめてみて!」ですかね。ランニングという特定の目的を持った、高い機能を備えたOnのシューズ。それと同時に、自分なりの解釈、考えで自由に日常に溶け込ませられる要素を多く持っているのも、このブランドの特徴です。
Style Collectionは「こう履いてください」ではなく、あくまで「こうも履けるよ」という提案です。状況や立場によって、ものの捉え方は人それぞれ。型にはまらず、とにかく楽しく着こなすチャレンジをしてほしいです。
1986年生まれ、2011年に独立。ファッション雑誌・広告・ブランドのカタログでスタイリングを手がけるほか、各種媒体で連載を持つなどフィールドを問わず、マルチに幅広く活躍中。
instagram: https://www.instagram.com/masaakiida/