

運動時間は短くても効果は長続き。短時間で限界まで追い込む高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、筋力とスタミナを向上させ、ワークアウト後も長く持続するエネルギーを生み出します。


朝の早い時間。一日の慌ただしさに飲み込まれる前に、まだ余裕が30分ある。ここで間隙を縫うように高強度インターバルトレーニング(HIIT)を行っても、実際にフィットネス効果はあるのでしょうか。答えは「イエス」です。HIITでは短時間で大きな効果が得られます。心拍数を上げ、筋肉に負荷をかける運動を集中して行うよう設計されているため、ここで重要なのは長さではなく自分をどれだけ追い込むかです。全力を尽くし、短い休憩を挟んでまた力を出し切る。それを繰り返します。
「HIITでは、体の動きが自分の感情にどう影響するかに注目しましょう」とダナリーズ・フリシュクネヒトさんは言います。「数字にこだわる必要はありません。無理をせず、今この瞬間に集中しましょう。一番大切なのはトレーニング後、身体が調和して意識がクリアになり、活力が満ちることです」
5km走のタイム向上を目指す人にも、仕事前に頭をすっきりさせたい人にも、HIITは効率よく体力をつけ、スタミナを高められるトレーニングです。特に、忙しくて時間が取れないときに向いています。
HIITは、高強度運動とリカバリーの繰り返しで構成されています。たとえば30秒間、全力でスプリントしたら、60秒間ジョギングする。または、複数のハードな短時間自重エクササイズを、短い休憩を挟んで数ラウンド繰り返します。HIITの本質は、運動の量より質、時間の長さより強度の高さにあります。




これは状況により異なります。HIITの効果は、費やす時間ではなく各動作にかけるエネルギーで決まります。トレーニング時間は、インターバルと休憩を含めて全体で10分から1時間までと幅があります。
初心者は10分から15分を目安に、長めのリカバリー時間を取って行いましょう。経験豊富なアスリートは、25分から30分をかけて、休憩時間は短めにしてもよいでしょう。
フリシュクネヒトさんの場合、十分なストレッチを含むウォームアップをプラスして、50分程度がちょうどいい長さだと言います。「このくらいなら自分の限界に挑戦しつつ、最後まで集中力が切れずに行えます」
ただし、より強度の高いトレーニングを行う場合は、セッションの合計時間を短くするように気を付けましょう。短時間で限界まで追い込んだら、余力のあるうちに切り上げることが重要です。「頭がすっきりして体も鍛えられ、心体が一体になったと感じられれば、その日はもう十分ということです。疲れ果てるまで頑張るのが目的ではありませんから」とフリシュクネヒトさん。
「呼吸が深くなり、集中してキツさを乗り越えたという感触がある。体の調子に連動して内面も整い、自分自身と完全に向き合えたと思えるんです」
HIITのメリットは、運動後過剰酸素消費量(EPOC)または「アフターバーン」と呼ばれる生理的効果により発生します。セッション後も体は修復やリカバリー、再調整のためにエネルギー消費を続けます。つまりトレーニングを終了しても、スタミナと筋力、代謝における効果がさらに続くのです。
HIITは毎日行う必要はありません。むしろ、連日するのはおすすめできません。週に2回か3回のセッションに、一定のペースの運動やモビリティエクササイズ、アクティブリカバリーを組み合わせるとより効果的です。
ジョージ・ビーミッシュ選手も、つい最初から全力を出したくなる気持ちはよく分かると語ります。ニュージーランド出身で、On Athletics Club(OAC)の長距離ランナーであるビーミッシュ選手は、限界へ挑戦することでキャリアを築いてきました。それでもトレーニングを始めるのに、いきなりHIITから入るべきではないと警告します。HIITは優れたトレーニング法ではあるものの、まずはしっかりとした基礎を築くことが重要です。
負荷のかけ過ぎは危険です。毎日ハードに追い込み過ぎると、壁を乗り超えるどころか燃え尽きてしまう可能性があります。HIITの効果は、激しい動きとリカバリーの相互作用にあります。数日間のリカバリー期間を設けることで、体が運動ストレスに適応し、筋肉を再構築、より強靭に生まれ変わります。
これをリズムとして捉えましょう。追い込む、休む、この二つを繰り返します。疲労や筋肉痛、パフォーマンスが急激に低下するなど、身体が出すシグナルに注意して、適切に調整しましょう。また、一定のペースで行うランニング、そしてアクティブまたは完全なレストも組み合わせます。目指すのは、長い期間をかけてスムーズに動ける体を手に入れることです。


まずは必ずウォームアップから始めましょう。軽いジョギング、縄跳び、ランジやレッグスウィングなどの動的ストレッチがおすすめです。きちんと体を温めることで、運動の準備が整い怪我のリスクを減らせます。
初心者は1対2の比率(20秒間の運動、40秒間の休憩)で始めるのが一般的です。中級者になったら1対1の比率に移行し、運動と休憩を同じ長さで行ってもよいでしょう。上級者は、40秒間の運動と20秒間の休憩というように、逆の比率で挑戦してみましょう。
誰にでも当てはまる完璧なやり方はありません。フォームを崩さずに運動できる強度を維持するよう心がけてください。スピードやパワーが急激に低下した場合は、動作を止めるか長めの休憩を取りましょう。
HIITはランニング、自転車、スキー、ローイングといった有酸素運動で行うことも可能です。マウンテンクライマーや縄跳び、フリーウェイトやケトルベルなどを使用したエクササイズでもよいでしょう。ここでの目標は、激しい運動で心拍数を引き上げたらレストで体を回復させ、また次のラウンドで動けるようにするということです。
トレーニング後は徐々に軽い動きへと移行していきましょう。ペースを落として歩きストレッチ、そして息を整える。これの段階を欠かしてはなりません。きちんとクールダウンを行うことで体のリカバリーを促し、筋肉痛や凝りを予防します。使った筋肉を軽く静的ストレッチするだけで、疲労が残りにくくなり、燃え尽きを避けることができます。




室内や屋外で行えるトレーニング例をご紹介します。
ランナー向け: - 30秒間のヒルスプリントと60秒間のウォーキングを6セット - 400m走と90秒間のジョギングを4セット
自重トレーニング向け: - 20秒間のジャンプスクワット、腕立て伏せ、マウンテンクライマー、またはニーハイと40秒間の休憩を3ラウンド - バーピージャンプ、ランジ、プランクを組み合わせた1分間のサーキットを4セット
ハイブリッドトレーニング向け: - 10分間:30秒間のケトルベルスイングと30秒間の休憩 - 12分間:プルアップ5回、腕立て伏せ10回、自重スクワット15回のラウンドをできるだけ多くの回数行う
自分に合ったものを選びましょう。意識的に自分を追い込むことが大切です。
全力を尽くすには適切な燃料補給が必要です。
運動前:ピーナッツバターとバナナ、グラノーラバーなどの単純炭水化物を摂りましょう。
運動中:水分補給を忘れずに。水分は血流をサポートし、疲労を軽減、回復を早めてくれます。たくさん汗をかく場合は、電解質も補うようにしましょう。
運動後:タンパク質と複合炭水化物を補給します。スムージー、卵とトースト、ヨーグルトをかけたオートミール、グレインボウルなどが、筋肉の修復とエネルギー補給に役立ちます。
HIITは静的トレーニングとは異なります。スプリント、ジャンプ、ウェイトの最中に、体の動きを妨げるようなことがあってはなりません。通気性が高く、吸汗速乾性素材を使った動きやすいアイテムを選びましょう。On Train-T GraphicやTrain Long-T Cropは、素早い切り替えや高負荷の動きにも対応できるよう設計されており、おすすめです。
同様にシューズにもこだわりましょう。Cloud X 4はあらゆる動きをカバーできるデザインで、横方向へのサポート力にもグリップ力にも優れており、反発力抜群のクッショニングが急な方向転換にもしっかり対応します。
一度きついセッションをこなしたからといって、体が鍛えられるわけではありません。長期的に見れば、強度よりも継続性の方が重要です。10分間のみの集中的ワークアウトでも、毎週続ければ肺が鍛えられ、頭が冴えて、ランのスピードもアップします。モチベーションが落ちてしまったら、クラスに参加するか、友達を誘って一緒にトレーニングしましょう。仲間の存在は、自分を律し継続する力になります。正しく行えばHIITは筋力、スピード、回復力を高める最も効果的な方法の一つです。
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