

世界で最も湿度が高いノルウェー西岸にある街、ベルゲン。 だが、そんな環境にもローカルたちがいる。最新の防水機能を備えたランニングシューズを試すには格好の場所だ。
まるで北海の波にもまれたノルウェーの海岸で、初めに目に入るのがベルゲン市の軒を連ねる尖った屋根。この屋根の形状は必然的で、絶え間なく降る雨を流すためにある。それは、地球上で最も湿った都市の一つで、希望のない日常のタスクといえる。年間の降水日数はなんと248日。かつて85日間にわたり連続で降り続いたことがある。
この天候は建築構造に影響をさせるだけではなく、そこにいる人々にもある解決策を与えている。とはいえ、室内にとどまる理由があふれている都市がある一方、地元の人々は変わらずアウトドアを受け入れている。ベルゲンのランナーほど、防水シューズを必要としている人はいないだろう。
ベルゲンで生涯を過ごす、エスペン・ロール・バルドセン(Espen Roll Bardsen)。西ノルウェー大学のコンピューターサイエンスの学生で、コーディング後の 「脳をリセット」するために走る。
5kmを15分08秒、10kmを31分52秒の自己ベストを持つエスペンは、走者としての力量を発揮する。そして悪天候も味方につける能力を持つ。屋内にこもっているようではこのような数字は出てこない。
最近トラックからトレイルに転向したエスペン。その転向は実にスムーズでノルウェーのクロスカントリー選手権で、銀メダルを獲得した。だが、彼は雨でずぶ濡れになるベルゲンでのトレーニングは、やりがいがあり挑戦的だと認めている。
「いい日もあれば悪い日もある。一ヶ月間、雨が降り続くときもある。どこに出かけるにも雨のことを気にしなければいけないのは、少し憂鬱だ。でも、それが当たり前になったね。
「雨だからといって外に出ないことはないですよ。私たちはベルゲンの中でもアウトドア派ですから。
雨が降っていると空気中の酸素が増えているような感じがする。雨の中の最初の数分間のランニングはいつもハードだが、しばらくすると、身体が慣れてきて、動き始める。
雨の中のランニングはエネルギーが湧き出てくるのです。」
「冬の闇は、いま雨が降っている時と同じくらいの明るさなんだ。朝はトレーニングするけど、辺りは薄暗い。夕方のセカンドセッションも薄暗いよ。冬にランニングするときは、いつも暗いんだよね。」
「実は、今年の冬は最高だったよ。雪がたくさん降ったしね。雪の積もったなかでも走るんだ、強化トレーニングとしてね。」
雨の中でのランニングは、言い訳ばかり言う人たちのために、チームとしてのスピリットとレースに対する責任の二つを持つこととエスペンは勧めている。
「一緒にトレーニングすることで、悪天候でも外出するのが楽になる。そして、お互いを改善し合う。ベルゲンには大きなランニングのコミュニティがある。それに、ほぼすべての美しい山頂で、独自のレースが開催されている。ここにはたくさんの刺激が見つかる。」
テア・アレスタド(Thea Årrestad)もベルゲン出身ですが、現在はスイスに在住している。テアがスイスへ移り住んだきっかけは、例年にわたって降り続く雨ではなく、素粒子物理学だった。現在、博士課程の彼女は、CERN(欧州原子核研究機構)で研究を続けている。
「私が移り住んだのは、天候がまったく関係しているわけではなかった。というより、私がベルゲンの生活で、どこまで南下していいかという精神上のリミットが与えられたと思う。
快適になるために雨と寒さが必要なの。」
”Det finnes ikke dårlig vær, bare dårlige klær” と、ノルウェーのことわざがあって、簡単に言うと「天候が悪いのではなく服が悪いのだ。」ということ。
「防水シューズのことを考えるとき、グリーンのブーツや変わったパターンのトレイルシューズが頭に浮かぶ。Onのウォータープルーフコレクションは、黒くて流線形のミニマルな外観ですね。見かけを気にする間もドライでいられる。また、悪天候の際に、シューズにそれぞれ200グラムの雨水を受け入れる容量がなくても気にならない。 」
私たちは、防水ランニングシューズコレクションを履いたランナーと一緒に地球上で最も湿度の高い場所の一つへ出かけます。次回は、「ひと月に35日も雨が降る」おとぎ話の森の島と言われている日本の屋久島をお届けします。我々を快く歓迎してくれそうです。