

坂道でのトレーニングはハードではあるものの、頑張るだけの価値があります。持久力や筋力の強化からフォームの改善まで、上り坂ルートを取り入れると、普段のワークアウトがより充実。その一歩一歩が力となる7つの理由をご紹介します。


坂道を走るメリットはよく耳にしますが、平坦なルートという選択肢があるのに、なぜあえて坂に挑むべきなのか、その理由が気になるところです。
上り坂のランニングはハードではあるものの、その分、成果がすぐに現れます。筋肉や肺からメンタルまで、全身の機能が鍛えられ、あらゆる路面を走るのにそのメリットを実感できるはずです。ランニング初心者にも、トレーニングのレベルアップを目指す人にも、坂道は走力を高める最も効率的な方法のひとつです。
On Athletics Club(OAC)がトレーニングに上り坂を取り入れるうえで重視しているポイントをご紹介します。
持久力は走り続ける力、スピードは目的地により速くたどり着く力です。坂道は、この2つを同時に鍛えるのに適しています。上り坂では一歩進むにも通常より多くのエネルギーが必要になります。いつもより高負荷の環境で効率的な動きを体に覚えさせることで、平らな道を長距離走る際に、それが持久力となって現れます。また、上り坂のランニングはスプリント時に使う筋肉の多くを動員するため、スピードの向上にもつながります。
OACのアドバイス:シンプルなインターバルトレーニングとして、数百メートルを全力で駆け上がり、下りはゆったりしたペースのジョギングでリカバリーしながら戻ることを繰り返しましょう。数回でも大きな効果が得られます。


上り坂を走ると心臓、肺、筋肉に高負荷がかかり、無酸素性(嫌気性)のゾーンに達することがよくありますが、体はこの状態にすばやく適応します。ここで重要なのがVO₂max(最大酸素摂取量)です。この数字は体がいかに効率よく酸素を利用できているかを示します。
簡単に言えば、VO₂maxが高いほど、疲労を感じずに速く、長く走れるということです。
坂道ではゆっくり走っても負荷が高いため、この数値の改善に効果的です。さらに、回復力や筋力が向上し、走った後に心身ともにリラックスできるという効果もあります。少しやる気が出てきませんか?
OACのアドバイス:強度は少しずつ上げていきましょう。怪我を防ぐために、斜度や時間は数回のセッションにわたって徐々に増やします。
強度を上げたいからといって、必ずしも距離を伸ばす必要はありません。坂道はそれだけでエネルギー消費を高めてくれるため、短い時間でもより効果を得られます。
効率的でいつもとはひと味違うトレーニングができるため、自分のリズムをつかめば意外と楽しめます。
OACのアドバイス:最初はゆるやかな坂を選んでゆっくり走りましょう。楽に走れるようになったら、徐々に斜度を上げていくのがおすすめです。


上り坂ランニングは、ランニングという名の筋力トレーニングです。ここでのパートナーは重力であり、それによってかかる負荷がワークアウトを面白くしてくれます。
上り坂を走ることで、ふくらはぎ、臀筋、ハムストリングスといった筋肉が平地よりもダイレクトに鍛えられます。さらに、体幹の安定性や連動した腕振りも求められるため、上半身のトレーニングにもなります。
OACのアドバイス:体幹を意識し、腕の振り方にも注意しましょう。よりフォームに気を付けることで、筋力強化の効果が高まります。
本番では平坦なコースを走るのであっても、坂道でトレーニングすることでハーフマラソンやフルマラソンに必要なレジリエンスが養われます。心肺機能が強化され、ペースの切り替えが楽になり、疲労が現れても落ち着いて走り続ける力がつきます。
OACのアドバイス:マラソンに向けたトレーニングプランでは、持久力、回復、筋力のバランスを意識しながら坂道トレーニングを含めた、さまざまなワークアウトを組み合わせるようにしましょう。長距離を走り抜くためには、この3つが欠かせません。
坂道を含むさまざまな路面でのトレーニングは、ランナーの耐久力と適応力を高めます。上り坂のランニングは、下り坂や硬い平地を走るよりも足への負担が少なく、実は関節に優しいと言えます。
まずは平坦な場所でウォームアップして体を慣らしましょう。その後は、背筋を伸ばした姿勢を意識し、歩幅をやや短めに保つのがポイントです。
OACのアドバイス:下り坂では、クッション性の高いシューズを選び、ひざや足首をしっかりサポートしましょう。




走り慣れたランナーでも、景色が変わると気分転換になります。リフレッシュしたいときに坂道はぴったりです。集中力も高まり、メンタルも鍛えられて、頂上にたどり着けば達成感も味わえます。上るにつれて変わる景色を楽しめるため、走っていて飽きません。
OACのアドバイス:ときにはいつもと違うコースも走るようにしましょう。あえて坂道を選び仲間を誘えば、その辛さも、頂上まで頑張って走った喜びも分かち合えます。
身近に急な坂道がなくても、上り坂ランニングの効果を得ることはできます。屋内外の階段を使うことで、坂を上るのに近い負荷を再現でき、限られたスペースでもしっかり鍛えられます。
始める前に、走る環境や路面に合ったランニングシューズを必ず選ぶようにしましょう。
平地用または通常のランニングシューズでも、たまに坂道を走る分には問題ありません。一方、専用のトレイルランニングシューズは、急な坂道や凸凹の多い路面でのグリップ力に優れています。それが平地用との主な違いです。
はい。実際には上り坂を走る方が、下り坂や平坦な道を走るよりも、ひざなどの関節に負担をかけません。着地時の衝撃はより少ないものの、正しいフォームを意識しつつ、緩い斜度から始めて徐々に傾斜を高めていきましょう。
ランナーに効果的なトレーニングとしては、ヒルリピート(上りを全力で走り、下りをジョギングで戻る)や、スクワット、ランジ、カーフレイズといった筋力トレーニングがあります。これらは、上り坂を走るために必要な強い筋肉を鍛えるのに役立ちます。