

Onトップアスリートの最も身近な人物に話を聞き、その人の人生や魅力に迫るQ&Aシリーズ「Behind the best」。今回はトライアスロン界のレジェンド、ハビエル・ゴメス・ノヤ選手の妻アネカ・ジェンキンスさんが、ワールドクラスで活躍する夫の素顔について語ってくれました。
ゴメス・ノヤ選手は、ITU世界選手権とITU欧州選手権でそれぞれ5度優勝し、アイアンマン70.3で2度優勝、エクステラ世界選手権で優勝、さらにはオリンピックでメダルを獲得するなど、並外れた実力の持ち主。
しかしゴメス・ノヤ選手は幼少の頃、心臓病を理由に競技をやめるよう助言されたこともありました。今日の彼を支えているものは?自身もプロのトライアスロン選手として活動する妻のアネカ・ジェンキンスさんに話を聞きました。
私たちが初めて出会ったのは、ニュージーランドのワナカです。お互いトレーニングキャンプに参加していました。私は当時トライアスロンを始めたばかりで、ハビが実績と才能のあるアスリートだということは知りませんでしたが、笑顔が素敵な優しい人だなと思いました。その後、数週間にわたって彼がトレーニングする姿を見て、集中力があって勤勉なことが分かりました。これは素晴らしい長所だと思います。
ハビはその段階ですでに実績のある優れたアスリートでした。1日のトレーニングを見ると、そのゆえんがわかります。仕事へのこだわり、集中力、決意、そしてベストを尽くす姿勢は、誰にも負けません。彼は真のプロフェッショナルです。
ハビは一か八かの大勝負に出たりはしません。できる限りのベストを尽くし、世界のトップアスリートたちと競い合うスタイルを貫いています。だからこそ、長年にわたり安定した成績を残しているのでしょうね。ハビは今ようやく、長いキャリアの中で成し遂げてきたことを振り返るようになったと思います。いつも次の目標、次のセッションに集中していて、一つひとつの成功をちゃんと祝ってこなかったので。
ハビが東京でレースするのをとても楽しみにしています。彼はトレーニングに励み、よく準備してきました。代表チームの1人になれたのは素晴らしいことですし、トレーニングには本当に熱心に取り組んできました。とてもリラックスした様子で、幸せそうでしたよ。
私もとても緊張しています。彼はものすごいプレッシャーを浴びていますし、一瞬一瞬に相当な重みがかかっています。でもオリンピックには出場したこともありますし、何をすべきかは分かっているはずです。100%の状態でスタートラインに立ち、最高のレースをしてくれることを祈るばかりです。
私が知っている限りでは、ハビは子供の頃から才能に溢れ、持久系のスポーツに情熱を注いでいました。
また、自転車で近所を1周してタイムを計ったという話も聞いています。そうして何年もかけてかなりの基礎を築いてきたんです。素晴らしい才能と強い精神力、そして仕事への倫理観を持った、数少ないアスリートの1人だと思います。
リオ大会を逃し、大きなショックを受けたハビは動揺していました。でも、気持ちを切り替えてひじの回復に集中し、次の目標に向かって進んでいく姿は本当に素晴らしかった。得意なコースのあるレースに出場したときは、人気選手として注目を浴びていましたが、彼はそのプレッシャーを見事に乗り越えた。こうした強さが成功につながっているのだと思います。
ハビは決して感情的になりません。大成功を収めたときも、大失敗したときも、常に冷静で落ち着いています。例えば世界タイトルを獲得した直後に、次のレースに向けてバイクのトレーニングをしていました。
そうですね。会場で一緒に経験したいし、できる限り彼を支えたいと思っています。でも、私がいなくても全く問題ないでしょう。ハビにはスペイン代表チーム、コーチ、サポートスタッフがついていますから。それに最も安定した経験豊富なアスリートですから、自分が何をすべきか分かっているはずです。私が必要なら電話1本でつながれます。精神的なサポートしかできませんけどね。