

サポートにはさまざまな形があります。今回のスーパーヒーローシリーズに登場するのは日本の石川佳彦選手。昨年夏、米カリフォルニア州のノンストップ・バッドウォーター135(Badwater® 135)ウルトラマラソン(217㎞)で見事に優勝を飾り、大会記録を樹立。その場ですぐさま恋人にプロポーズし、話題となりました。石川選手にとってのサポートとは?Q&Aで話を聞きました。
正しいギアは、あなたのランニングライフをサポートします。でも、それと同じくらい重要なのは、良いときも辛いときも、あなたを支えてくれる人たちの存在です。人生のパートナーから長年の友人、同じ町の家族、世界中に広がるオンライングループまで、適切なサポートシステムがあると、確実に違いを生むことができます。
日本人ウルトラランナーの石川佳彦選手は、その驚くべき一例と言って良いでしょう。昨年7月、217㎞に及ぶ米カリフォルニアのバッドウォーター135・ウルトラマラソンの記録を20分以上も縮めてゴールし、大会新記録を打ち立てた石川選手 (石川選手のタイム:21時間22分01秒) 。まだ息を切らしながら汗を流し、立っているのもやっとの状態の石川選手がその直後にとった行動に、彼の恋人は息をのみました。なんと彼は、指輪を取り出してプロポーズをしたのです。
「世界一過酷なフットレース」の異名をもつバッドウォーターを、石川選手は1マイル平均9分35秒という驚くべき速さで走り、大会記録を破りました。コースの条件を加味して考えると、実に素晴らしいペースです。急な上り坂(海抜マイナス85mから標高2,500 mの高さまで、コース全体の累積標高が4,500m以上あるコース内容)に加えて、猛烈な暑さが襲います。レース中の気温が摂氏50度を超えることもよくあります。
だからこそ、パートナーによるサポートは、石川選手が成功を勝ち取るためには不可欠でした。Q&Aでは、石川選手が走る理由、愛する女性の存在が人生とトレーニングにどれほど重要な役割を果たしているか、そして、どうしても聞かずにはいられなかったあの疑問 ―217kmもの間、婚約指輪を一体どこに隠していたのかについて、石川選手に話を聞きました。
長い間、自分の力のなさみたいなものを実感しながら生きてきました。それであるとき、自分に何か光るものはないかって考えたんです。そしたらやっぱり走ることだって気が付いて。その光るものをずっと大切にしていきたいと思って走り始めました。ランニングに専念すれば、人生をコントロールできるような気がしました。それが功を奏しました。
喜びや楽しさを与えてくれるのはもちろんですが、同時に嫌な部分や悔しいという気持ちなど、ネガティブな部分なども含めた、さまざまな感情を自身に与えてくれます。それはあらゆる面においてすごく刺激的ですし、ランニングの魅力の一つだと思っています。
そうですね、やっぱり妻の存在がすごく大きいです。昨年11月に結婚しましたが、結婚する前から、彼女は多くの面で僕を支えてくれていました。トレーニングやレース本番―― とにかくすべてにおいてです。率直に言って、彼女の支えなくしては、今のように走れていないと思います。やはりウルトラマラソンのような長くて過酷な競技などは、一人で戦えません。ですからサポートの存在はとても貴重です。僕も彼女を支えていきたいと思います!
もちろん、走っているときはひとりです。でも苦しくなって、自分の頑張りだけではどうしようもないときは必ず来きます。そういうときに妻のことを頭に浮かべます。たとえすぐそばにいなくても、普段から支えてもらっている妻の存在は重要です。
彼女のことを考えると、ここで簡単にあきらめてしまってどうするんだと、気持ちを奮い立たせることができます。
昨年7月にカリフォルニアで、Badwater® 135ウルトラマラソンを走りました。217㎞の長距離レースで、本当に暑い日でしたが、妻はその長い距離を走るあいだ、常にサポートしてくれました。水を渡してくれたり、涼しさを保てるようにスプレーをしてくれたりしました。
レース中ずっとではありませんが、たくさん考えはしました。その計画について考えたら、レースを完走しないなんてありえないと思いました。レース自体にも緊張していましたが、周りのアメリカ人やその他の人たちもとても盛り上がっていて、レース全体を通して雰囲気は最高でした。本当に特別なイベントです。
レース中ずっと指輪を持っていたわけではありません。失くしたら嫌ですから。サポートクルーに預かってもらっていたんです。そして、ゴールラインで指輪を渡す時に、クルーから受け取りました。そうして、いつもと同じように僕を支えてくれたんです。
はい、その通りです。予想していなかった展開だったみたいで、僕がプロポーズすると、彼女はその場で泣き崩れてしまいました。その涙に僕ももらい泣きしてしまって。間違いなく注目を集めましたね。僕は、人生で初めてレースを終えて泣きました。僕にとって、いや、僕ら2人にとって、すごく大切な意味を持つ日になりました。
今の目標はやはり勝つことですね。勝たないと面白くないし、勝つための戦略を練る時間が好きなので。身体的な取り組みはもちろんですが、見合ったプランを立てて、しっかりと戦術を立てることは重要です。 レースはそれぞれ異なります。
ですから、身体的な準備をするだけでは不十分です。精神的にも準備を整えなければなりません。それぞれの瞬間に何をすべきなのかを決め、目標が達成できないときに、どうあるべきかを考えながら走ることも大切だと思っています。
走っている時は無心になると言う人たちもいますが、僕にとっては、考えること、常に準備をして、常にコントロールできる状態で挑もうとすることはとても重要です。 そうすることで、レースは単なる他者との戦いではなく、自分自身との戦いに打ち勝つことになります。ですから目標は、自分と戦い続けることです。そうすれば、この先も勝ち続けられますから。
かなり充実しています。月曜日から金曜日まで仕事があるので、仕事の前後に走っています。週末や休みの日はもっと長い距離を走ります。100㎞~150㎞くらいの距離を走っています。
毎週200km以上はトレーニングで走りますが、Cloudflyerのクッション性はとても良いと思います。そのような長距離を走っても、足の疲労感を残さず距離を踏めます。僕のようなウルトラランナーにとって、すごく大切なシューズです。どれだけの距離を走ってもシューズがサポートしてくれるのはとても重要です。この類の距離をもし不適切なシューズで走ったら、足の故障につながってしまうと思います。
ソールは本当に素晴らしいです。このシューズは、履いた時からサポートしてくれて、まるで包み込まれているような感覚を与えてくれます。その感覚をとても気に入っています。
石川選手のインタビューは日本語で行われ、英語に翻訳・編集されました。