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マラソンの​ための​栄養学:長距離走に​必要な​エネルギー補給法

マラソンに​合った​栄養の​摂り方は​科学でも​あり、​実践で​確かめながら​正解を​見つけていく​ものでもあります。​トレーニング期間の​食事の​しかたから、​レース当日の​戦略、​リカバリー法まで、​専門家の​アドバイスを​ご紹介します。

道路をランニング中の3人の人物。
道路をランニング中の3人の人物。

初マラソンの人でも、4度目の出場を目指し鍛えている人でも、栄養をどう補給するかで序盤から終盤まで気力を維持できるかが決まります。

正しい燃料補給は、パフォーマンスとリカバリー、そしてランニングのリズムと走りそのものを支えてくれます。多くのランナーが経験する、いわゆる「壁」にぶち当たったときも、きちんと栄養を摂ることで安定した走りが可能になり、乗り越えやすくなります。

このガイドでは、マラソンの前、最中、そして終わった後の食べ方・飲み方について、専門家が分かりやすくアドバイスします。

基礎を​固める​燃料補給:トレーニング中の​栄養に​ついて​

マラソンのトレーニング計画で検討すべきは、走る距離だけではありません。何をいつ食べるかも、体をしっかり動かすための基本的な要素であり、特にレース本番に先立つ数週間は注意が必要です。

原則としては、

- トレーニングの量と強度に合わせて調整しましょう。トレーニング期間中は一定量のタンパク質を継続的に摂取し、リカバリーを促します。トレーニング量と強度を上げるときは炭水化物も増やすようにしましょう。

スポーツブラとショートパンツを着用し、セーターを腰に巻いて走る女性。
スポーツブラとショートパンツを着用し、セーターを腰に巻いて走る女性。

テーパリング期の​栄養:炭水化物を​優先

レース直前の数日間は、ほとんどのランナーが炭水化物に重点をシフトし、「カーボローディング」を行います。単純で消化しやすい炭水化物(糖質)を積極的に摂り、グリコーゲンをしっかり蓄積しましょう。その際、次の点に注意してください。

- 48時間前のカーボローディング:マラソン本番の1~2日前は、目安として体重1キロあたり10~12gの炭水化物を摂取します。 - レース前の落とし穴に注意:摂取するのは、自分の身体が慣れている食品に限定しましょう。消化不良を避けるために脂質と食物繊維は最小限に。また、辛い食べ物を含めて、予期せぬ事態に陥りそうなものは控えましょう。目標は、落ち着いたフレッシュな気分で、十分に栄養を蓄えた状態でスタートラインに立つことです。

マラソン前の飲み物:

必要な水分量は人によって異なりますが、目標はシンプル。水分を摂り過ぎることなく、適量を維持する。それだけです。おすすめの飲み物は次のとおり。

- 水 - ジュース - 電解質 - 炭水化物・電解質スポーツドリンク

力強い​スタートを​切る​ために​:レース本番の​栄養補給

レース当日は特有の決まりごとや習慣があるものです。しっかりこなすためにも次のアドバイスに従ってください。

- レース当日の朝食はしっかりと:高炭水化物、低繊維、低脂肪の食べ慣れた食品を選びましょう。(白パンのトースト、ベーグル、シリアル、ジャム、フルーツジュース、スポーツドリンクなど)重要なのは、胃腸に負担をかけずに燃料を最大限に補給することです。 - レース中の燃料補給のポイント:1時間あたり60~90gの炭水化物摂取を目指します。特に消化しやすいのはジェルやリキッドですが、歯ごたえのあるものが好みであれば、固形タイプの補給食もおすすめです。 - 明確な水分補給戦略を立てる:マラソン前の2~4時間以内に、体重1キロあたり5~10mlの水分を摂取します。レースの最中は、暑さや強度、のどの渇きに応じて水分を取るようにしてください。電解質の摂取も忘れずに。 - カフェインの摂り方:カフェインは後半戦まで控えましょう。予想されるゴール時刻の60~90分前に体重1キロあたり2~3mgを摂取すると、ここぞというときに疲労感を軽減できます。

給水所で、水しぶきを上げながらドリンクに手を伸ばすマラソンランナーたち。
給水所で、水しぶきを上げながらドリンクに手を伸ばすマラソンランナーたち。

リカバリーも​念入りに​:マラソン後の​栄養補給の​ヒント

ゴールした瞬間からリカバリーは始まります。2つの段階に分けて考えましょう。

- 第1段階 – ゴール直後(フィニッシュから0~60分間):あまり食欲はないかもしれませんが、炭水化物とタンパク質を組み合わせて摂取するようにしましょう。グリコーゲンが補給され、初期の筋肉修復が促されます。 - 第2段階 – 回復食(フィニッシュから2~4時間):炭水化物が豊富(パスタ、米、ジャガイモなど)で、タンパク質(鶏肉、魚、豆腐など)と野菜も加えた食事を摂ります。そして、レース後に楽しみにしていたご褒美を味わうなら今です。体を回復させるだけでなく、心も労わってあげましょう。

完走する​ための​燃料補給

マラソンのための栄養摂取のしかたは人それぞれ。何がベストかは、各人の目標や好み、消化力、そして経験量など、いろいろな要素によって決まります。レース当日の戦略を立てて、まずはトレーニング中に試してみましょう。直前の一週間のテーパリング期にさらに微調整し、本番にはこれまでの練習を信じて臨みます。

燃料補給のプランが決まったら、あなたのランをサポートするマラソンギア選びも忘れずに。

よく​ある​質問

マラソン中は、1時間あたりどのくらいの炭水化物を摂ればいい?

多くのランナーは時間あたり60~90gを目安にしていますが、エリートランナーであれば120g弱が必要です。練習で長距離を走るときに実際に試してみて、自分に合った量を見つけてください。

マラソン中、カフェインを摂取したほうがいい?

カフェインに強い体質であれば、答えは「イエス」です。トータルで200~300mg(または体重1キロあたり3~6mg)を摂取することで、疲労感が軽くなり、集中力もアップします。

大量にトレーニングを行う日と、軽めのリカバリー日では、栄養補給にどのような違いがある?

大量または高強度のトレーニングをする日は、炭水化物の量を多めにして燃料を補給し、維持します。リカバリー期間も引き続きエネルギーの補給は必要ですが、炭水化物の量は減らします。ただし目的は摂取量の制限そのものではなく、身体の回復であることを忘れずに。

マラソン開始前に十分水分補給ができているかを確認するには?

尿の色をチェックしましょう。澄んだ色か、淡い黄色ならOKです。スタート前の数時間に喉の渇きを感じるようであれば水分不足です。

レースの最中、ジェル、固形の補給食、スポーツドリンクのどれを摂取する?

高強度の運動中に摂取しやすいのはジェルやドリンクですが、噛みごたえのある方が好みであれば、固形タイプもおすすめです。この3つはどれも効果的です。