

フルマラソンに向けた初めの一歩であろうと、最終ゴールそのものであろうと、ハーフマラソンに出るのはビッグイベントです。正しいプランを立てて完走を目指しましょう。
42.195kmを走るフルマラソンは、人によっては身体への負担が大き過ぎ、費やす時間も多大です。本番の何か月も前から数百時間かけてトレーニングし、心身を整える必要があるため、走る楽しみが半減するように感じる人も多いでしょう。一方、ハーフマラソンなら、趣味程度のスケジュールで(あるいは、ランニングがすでに習慣になっている人なら日々の自由時間をすべて犠牲にすることなく)、素晴らしいレースに出るトレーニングを積んでいくことが可能です。ハーフマラソンはまた、フルマラソン完走を目指す上での一歩としても大きな意味があり、実際に多くのランナーがフルマラソンのためのトレーニングとして初期段階でハーフマラソンを取り入れています。ここでは、ハーフマラソンに関心を持つ方のために、初めてのハーフマラソンを単に乗り切るだけでなく成功に導くための確実な方法をご紹介しましょう。
ハーフマラソンのトレーニングに最適なシューズ
練習では多くの距離を走るので、レース当日までに少なくとも2足のシューズが必要になるでしょう。ハーフマラソンもフルマラソンもほとんどはロードレースであり、人工的な路面を走るため、それに適していて、しかも長持ちするシューズを履いてトレーニングするのがベストです。最初にトレーニングシューズを選ぶ時、多くのランナーはサポート力と安定性を重視しますが、それはハーフマラソンのようなレースでは足の疲労に注意が必要だからです。自分に合ったシューズを選ぶには、パーフェクトなロードランニング用シューズのガイドをぜひ参考にしてください。
ハーフマラソン本番に最適なレースシューズ(トレーニング用ではありません)
本番まであと数週間になると、ランナーの多くは当日履くためのランニングシューズを新たに購入します。プロランナーであればレース当日に真新しいシューズを履きますが、ハーフマラソン初心者がこれをやってはいけません。たとえそのシューズをよく知っていたとしても、レース当日におろしたてのシューズを履けば必ず問題が起こります。必要なのは、少なくとも1週間前には本番用のシューズを準備して履き慣らしておくこと。そうすれば、レース当日もまだ新品同様の雰囲気を保てます。レース本番用のシューズを選ぶ頃には、自分がシューズに求めるもの――例えば、サポート力の強さ、クッション性、スピード重視など――がはっきり分かっているはずです。
ウェアとソックス
ランナーの多くがレース用のシューズはじっくり時間をかけて選ぶのに、当日身につけるウェアやソックスは古いもので済ませています。
例えば、適切なランニングショーツやTシャツ、タンクトップは、汗を逃して肌をドライに保ち、不快な摩擦や肌擦れを防止する素材を使用。しかも軽量で、多くの場合、汗の臭いをシャットアウトする抗菌効果があります。正しいランニングギアを身につけるとどんな効果があるかについて、詳しくはOnのランニングアパレルをご覧ください。(それにしても、”レースのための練習”ほど、ランニングにふさわしいウェアを着るもっともな理由はありませんよね。)ソックスに関して言えば、ランナーの中には着圧ソックスに絶対の信頼をおく人もいます。まだ試したことがない方は、レース当日ではなくトレーニングの間に履いて走ってみるといいでしょう。またトレーニング中の天候によっては、ランニン用のトップスやジャケット、グローブなどが必要になることもあります。望ましいのは、たとえ天候が理想的でなくても、できるだけレース当日のウェア(ショートパンツにTシャツなど)に近いものを着ること。そうすれば「これを着たらマラソンだ」と自分自身を条件づけることにもなります。
自分の走りをトラッキング
もしもまだ持っていなければ、GPS機能が付いたランニングウォッチやスマホのアプリなど、ランニング用のトラッキングデバイスをぜひ手に入れましょう。何か月にも及ぶトレーニング期間中、どれだけの距離を走ったかが記録できます。(そして自分の進歩を目に見える形で追跡していけば、本番が近づくにつれて満足感も得られます)。多くのランナーがStravaなどのランニングSNSを利用してトレーニングの状況をシェアし、自分自身と仲間の励みにしながらトップパフォーマンスを目指しています。
このガイドに食事と栄養に関するアドバイスは載せていません。ハーフマラソンに必要なトレーニングやランニングの内容に焦点を当てているからです。とはいえ、食べ物がマラソンの練習や走りに大きな影響を及ぼすのは確かです。ここでのアドバイスに従って、適切な栄養をきちんと取るようにしてください。
筋肉痛になったり、身体がこわばったりするのはよくあることですが、それだけでなく、トレーニングもレース当日も最高の気分で乗り切るための注意事項をまとめました。もちろん誰でも怪我をすることはあり、それもいろいろな形で起こり得ます。一番大切なのは常に自分の身体の声に耳を傾けること。そして何か変だと感じたら、すぐに医師や理学療法士に診てもらうことです。
とはいえ、いつでも自分が心地よいと感じることをすべきであり、何かおかしいと感じたらすぐに立ち止まることがやはり重要です。無理に続けて、本番間近になって回復に手間取るよりも、念のために思い切って1週間休養するほうがずっといいのです。
休養日:休養を取る日は無理をせず、自分の身体の声に耳を傾けることが大切です。調子がいいのでいろいろなトレーニングをミックスしてやりたいと思うなら、それはもちろんあなた次第。けれど休養日はむしろストレッチをしたり、ヨガやピラティスのようなアクティビティをしたり、あるいは何もしないで過ごす方が効果的です。
違う運動をミックス:週末の一日は別のスポーツを楽しむのがおすすめ。ランニングのトレーニングを補完できるからです。ジムでのワークアウトでも、水泳、サイクリング、友人とのリクリエーション的な運動でも、なんでもOK。重要なのは最低でも汗をかくまでやることで、原則として少なくとも30分は続けましょう。その点に気をつけさえすれば、どんな練習をミックスするのも自由です。
土曜と日曜:土日のスケジュールは必要に応じて切り替えてもかまいませんが、長距離走の方がミックストレーニングよりも重要です。週末は時間に応じて1種類のトレーニングをやりましょう。
最初のステップからスタートして、一歩ずつ前に進んでいきましょう。始めはゆっくりと、少しずつリズムに乗りながら道のりを楽しんでいくつもりで。
この段階ではすでにリズムをつかみ、気分も上々です。レース本番で力強いパフォーマンスを発揮するには継続的な練習が最大のカギ。とはいえ、数週間の間に1度や2度、きちんとトレーニングできない日があったとしても、それで台無しになるわけではないので心配はいりません。
トレーニングの最後のひと月です。ここまで来れば、距離そのものへの自信はついているはず。あとはいかに筋力とスタミナをつけていくかが鍵となります。特に最後の一週間は自分がちょうどいいと感じるランニングに留め、決してやり過ぎないように。すでに何週間ものトレーニングを積んでいるので、レース前の最後の数日間は十分に休養を取るようにしてください。
ここからは自分を信じましょう。準備は万端。あとはレースに飛び込むだけ。